自由コラム

鏡開き

先日、新たな門出をお客様と一緒に祝って頂くという会社のイベントがあり、『鏡開き』の準備担当を仰せ付かりました。掛け声と共に法被を着た代表者が鏡(酒樽の上蓋)を開く、祝い事でよく目にする『鏡開き』です。これまでは「木槌で酒樽の蓋を叩き割る」厳かな儀式と思っていましたが、このようなイベント時は「叩き所と蓋の落ち方が緻密に計算された繊細なパフォーマンス」となります。司会者の『「よいしょー!」と共に木槌で叩いてくださいね』との説明時に、既に鏡が開かれるという「お約束」はありながらも、仕切り直しでは何とか「様になった鏡開き」となり、ほっと安堵の胸をなでおろしました。この鏡を開く事によって祈願の成就を願い、今後の運が開かれるという意味が込められているそうで、昔は武士が出陣の際、味方の士気を鼓舞するため、酒樽を割って振舞ったと言われています。我々の実業も「様になる」だけでなく、「破蓋」の勢いで弾けていきたいものです。

編集委員 小寺直介