メルセデスベンツ・スプリンター製造デュッセルドルフ工場見学バスツアーご報告
当会議所の代表的なイベントの一つとして定着して参りました工場見学バスツアー、今回は7月19日(水)にデュッセルドルフにあるメルセデスベンツのスプリンター製造工場を訪問致しました。
メルセデスベンツの「スプリンター」は宅配・運搬用のワンボックスカーとして広く普及し、よく目にされていると思います。他にも商用車やミニバスなど、内装を含めると1000を超えるバリエーションがあるそうです。
当日は市内中心部からバスで10分の工場到着後、まずデュッセルドルフ工場の全体像や歴史についてのプレゼンテーションを受けました。住宅地に隣接の68万平米の工場では、約6500人の従業員がカーニバルと夏休み以外は週5日3シフト制で勤務しており、1日に約740台のスプリンターを製造しています。2015年には高まる受注に対応するため、特別シフトを組み年間179500台製造という記録を出したそうです。また、世界9拠点の中でもデュッセルドルフは最大のスプリンター製造工場ということでした。
プレゼンテーションに続いて、溶接工場へ向かいました。ラインの溶接作業では火花が飛んでくることもあり、プロテクト眼鏡を装着、作業音が大きいのでイヤホンを通してガイド・通訳の説明に耳を傾けました。溶接工程ではロボット550台に対し作業員1シフト350人の割合での作業で、オートメーション化が進んでいます。危険な作業、重量物の取扱い、または単純作業や品質検査もロボットが担います。フロントガラスはゴムの取り付けは人が確認し、車体への貼付はロボットが行っていました。製造ラインは1タクト100秒で進んで行きますが、ライン上で持ち上げられた車体の下へ人が入る等、人が無理な体勢を取らず作業できるように工夫されているのが見られました。
また、こちらの工場では1つのラインで様々なバリエーションのスプリンターが製造できることが大きな特徴ということですが、窓のない運搬用のバン、人が乗用するバスタイプが流れていたり、内装工場では塗装工程を終えた様々な色の車体が見られました。
ライン上の各車体の脇にはタブレットのようなものが取り付けられ、車体それぞれの仕様が記録され、それに従って作業が進められ、終わったものにはチェックが入り、問題がある場合にもここに入力するそうです。
最終工程では「結婚式」と呼ばれる動力駆動部分とボディを合体させる一番重要な作業も見学することができました。その後タイヤが取り付けられ、エンジンをかけて走行もチェックされます。ここまでの工程で2日かかるということでした。
見学中・見学後とも、参加者の方々から様々な質問が活発に行われ、それぞれガイド役の方から丁寧に答えていただきました。社員の健康に関する質問については、企業専門医を常駐させ、理学療法サポート等を準備しているというお答えで、会社として人に優しい職場環境作りや社員の健康管理への配慮も感じられました。
工場見学の後は、デュセルドルフ旧市街のカフェレストランでネットワーキングを兼ねたお疲れ様会を行いました。ビールや冷たいお飲み物でのどを潤し、参加者の皆様のお話も弾んだのではないでしょうか。
今回は募集開始後すぐにお申込みが定員を超えてしまい、多くの方にキャンセル待ちをお願いし、ご参加頂けませんでした。この場をお借りして、お詫び申し上げます。秋にもまた他の工場見学を予定しておりますので、是非お楽しみに。
メルセデスベンツ社にて © JIHK