耳よりコ-ナ-生活編

ドイツでの生活にあたり注意すべきこと

「一般的にドイツは,ヨーロッパの中では比較的安全な国とのイメージを持たれています。しかしながら,ドイツ連邦警察の発表によれば,2017年(暦年)のドイツ国内全体の犯罪発生件数は約576万件であり,これは日本の約6倍に上ります(ドイツの人口は約8300万人)。日本の生活感覚のままでは思わぬ犯罪被害につながりかねません。」

上記は日本の外務省のウェブサイトから抜粋しました。人口は日本が約1億2千万人なので、一人当たりの犯罪に巻き込まれる確率は上記の6倍以上です。読者の皆さんが知らないうちにこのような犯罪の被害にあわないために、どのような犯罪があるのか、そして、どのような対策が必要なのかを以下に記します。

連邦内務省(Bundesministerium des Innern, für Bau und Heimat)の2017年のドイツの犯罪統計(Polizeiliche Kriminalstatistik 2017)によると、犯罪を種類ごとに分類すると窃盗の占める割合が36.4%になっています。また、窃盗をさらに細かく区分すると一番多いのが車の付属品、並びに、車の中に置いてあったものに対する窃盗です。その次に多いのが自転車などの二輪車の窃盗で、3番目に多いのが家の空き巣です。スリがそのあとを続いています。他にも起こりうる犯罪の種類はいろいろありますが、ここではだれにでも起こりうる窃盗被害4つに絞ってどのような対策をすべきなのかを書きます。
精神論になってしまいますが、一番大事なのは心構えだと思います。身の回りで上記のような窃盗被害が多発していて、だれにでも起こりえることと自覚しておくべきです。筆者が日本へ帰国する際に毎回驚かされるのは、日本人はすごく平和ボケしているということです。空港やカフェなどで携帯電話を充電するためにそのまま置いたままにしていることを何度も見たことがあります。このような光景を見ると、ドイツだったら数分でなくなってしまうだろうなと思ってしまいます。日本の治安が良いのは世界に誇れることですが、日本を出たらそれが当たり前でないことを普段から意識することが大切です。

近年警察がこのような犯罪の撲滅に力を入れていて、各犯罪への対策をインターネット上で説明しています。ここで
は文字数の関係からすべてを紹介することができないので、一部をかいつまんで紹介します。詳しくはPolizei-Beratung.deのPolizeiliche KriminalpräventionとPolizei NRWのRiegel vor! Sicher ist sicherer.いうページをご参照ください。
車の中に置いてあるものでよく狙われるのがナビやスマートフォンなどの貴重品です。車を離れるときは、それらの貴重品を車に置いたままにしないようにしましょう。ナビなどを車に固定するホルダーを見て、車をこじ開ける窃盗犯もいるようです。できれば、このような付属品も車中に残さないほうがベストです。また、車本体が狙われることもあります。車を少しでも離れるときは、必ず窓とドアのカギを閉めてください。
自転車やバイクが盗まれるのはどこかに固定されていないときです。必ず本体だけでなく何かにカギで固定しましょう。それでも、残念ながら盗まれてしまうことがあります。警察に自転車を登録して、無料で配布されている登録のステッカーを張ることにより被害の確立を抑えられます。最近では自転車を登録するための無料のアプリもあります。
空き巣に一度入られると経済的な被害だけでなく、精神的なショックが大きいです。少しの対策でこのような被害を防ぐことができます。窓やドア用の防犯グッズがドイツでも売られています。泥棒はほとんどの場合5分以上かかる場合侵入を諦めます。もし、まだご自宅でそのような対策をしていない方は、大家さんに相談してみましょう。
スリはよく何人かのチームで活動しています。不審なものが近寄ってきても相手にしないでください。また、かばんはできるだけ体のそばに保管して目を離さないようにしましょう。夏などレストランのテラスで食事をするときは特に要注意です。

ここではいろいろな窃盗に対策を書きましたが、どれも被害の可能性を下げるだけで絶対ではありません。被害にあってしまったらもとに戻すことはできないので、そのための保険に入っておくこともお勧めします。いつでも日本語で丁寧に皆さんの保険のご質問にお答えいたします。

Allianz保険
上田 怜