「e.Go Mobile AG電気自動車アーヘン工場及びアーヘン工科大学デモ工場見学」(09.10.2019)
10月9日、本年2回目となるドイツ工場見学ツアーを実施し、アーヘンにあるe.GO Mobile AG電気自動車工場及びアーヘン工科大学内のデモ工場を総勢22名で訪れました。
まず最初の見学先e.GO Mobileは、アーヘン工科大学のシュー教授によって2015年に設立されたスタートアップ企業で、市街走行専用電気自動車を製造、手頃な価格で販売することを目的としています。2019年5月から量産されているのが、Small electric light vehicle車の技術要件を満たす「e.Go Life」(走行可能距離100㎞、最高速度112Km/h)という車です。他社の部品を多く使用し、車両カラーは塗装ではなくボディー材料に予め彩色することにより製造コストを引き下げ、12,000€程で販売されています。
工場建物前には充電スタンドが設置されており、さすが電気自動車工場といった雰囲気。最新モデルの車両が展示されている明るい玄関ホールで、プレゼン用パネルを使ったマーケティング部長Wendt氏のプレゼンテーションを受けた後、保護靴、安全ベストを着用し工場内へ。他自動車工場と異なり、組立ロボットもなく、とても静かなことに驚きました。ラインで流すのではなく、運搬用のボードに車体を載せて各作業に回っています。5Gネットワークによる完全デジタル化の工場であり、工場内の状況や外部とのやり取り等はダッシュボード上でどこからでも確認が可能だそうです。行程最後の完成品を「スキャン」してチェックする装置等、最先端ツールを利用した製造方法が大変印象的でした。
その後アーヘン工科大学キャンパス内にあるレストランへ移動し、参加者の皆様との交流会を兼ねた昼食会となりました。
昼食会後はアーヘン工科大学デモ工場へ。こちらは当所会員企業のItelligence AG(NTTデータ様)のご厚意により見学が実現したものです。本工場は同大学のスマートロジスティク・クラスターの中核部分であり、Industrie 4.0の実践・研究・スキル向上のためのトレーニングの密接連動を目標として設立され、プロトタイプや量産品も生産しているとのこと。また本工場では、企業や研究所が実運用環境でIndustrie 4.0に関する問題を解決できるか確認することが可能だそうです。
始めにアーヘン工科大学の本工場担当者Modler氏によるIOTを活用した先進のロジスティクスソリューションについてのプレゼンテーションを拝聴、その後同氏にデモ工場内をご案内頂きました。画像センサーと5Gを活用した新たな取り組み事例が幾つか紹介され、Industrie 4.0をより身近に体験することが出来ました。
来年も会員の皆様の役に立ち、また魅力的な工場見学を企画していきたいと思っております。どうぞよろしくお願い致します。
e.Go Mobileにて ©JIHK
プレゼンの様子 ©JIHK