自由コラム

私のドイツ

子供の頃からドイツに興味を抱いてました。すでに高校生の頃、まだ見た事の無いベルリンの何処にブランデンブルク門が建っているか、またその東側がウンテー・デン・リンデン大通りであり、西側はティーアガルテンの緑地帯である事を把握してました。大学に入学してロベルト・シンチンゲルの辞書を初めて手にした時の感動を覚えてます。そして、真鍋良一先生の文法書で学びました。形容詞の変化を憶える為に、形容詞の変化表を毎日4回手書きする事を日課としました。学生時代、幸運に恵まれ、当時の文部省の奨学生としてドイツに留学する事が許されました。 初めてブランデンブルク門の前に立った時、「この国で学び、この国で働く」と決心しました。やがて大学を卒業し、今の会社に就職しましたが、二年半、本社に勤務した後、ドイツに派遣されました。仕事では、大変な事が多くあります。特に営業の最前線にいたので、出張が多く、常に数字に追いかけられる生活となりました。お役所相手の仕事や、法律関係の仕事、人事にも従事して来ました。でも仕事は、どの国で働いていても楽ではないと思います。どうせ苦労するなら「自分の好きな国で苦労した方が良い」と思いました。そう考えると楽になりました。そして在独34年が経過した現在、私は34年前よりもさらにドイツに興味を抱き、さらにこの国を愛する様になりました。この国で暮らせる幸せを、神様に感謝しております。 

広報部長 稲留康夫