9月30日(金)『熊谷徹氏・講演会』 ご報告
元NHK記者で1990年から在独のフリ-ジャーナリストとしてご活躍、当会議所会報誌の「羅針盤」にもご執筆いただいている熊谷氏の講演会は7回目となりました。今回はテーマ「ウクライナ戦争が暴露した、ものづくり大国ドイツの失敗。日本への教訓は?」のもと、ご講演いただき、今年もハイブリッド形式で会場・オンライン、合計100名の方々にご参加いただきました。
熊谷氏はロシアによるウクライナ侵攻が長期化するであろうことを指摘し、ドイツがロシアにエネルギー依存するようになった経緯をご説明され、ドイツのエネルギー危機は2024年末まで続き、この冬以降、ドイツはインフレとリセッションに苦しむという厳しい見通しを示されました。ロシアのガスに依存した再生可能エネルギーへの転換計画も破綻したと指摘されました。日々変わる世界情勢で当日はいったいどのようなお話の展開になるのかと、多くの方にご期待いただいていた講演会は、同氏ならではの詳細なデータ分析を基に、大変わかり易い解説をいただき多くの参加者よりご好評をいただきました。
また、講演後のQ&Aセッションでは参加者から『日本は国際社会でどのような役割を果たせるのか』、『ロシアによるウクライナ侵攻の教訓を日本は対中関係にどのように生かせるのか』等の質問が寄せられ活発な質疑応答が行われました。

10月25日(木)『対談イベント』 ご報告

当会議所大会議室にて日独産業協会(DJW)と当会議所、日本貿易振興機構(JETRO)、フランクフルト日本法人会の共催により、DJW理事長のゲアハルト・ヴィースホイ氏と日本経済新聞欧州総局長(ロンドン駐在)の赤川省吾氏による対談イベント「DJW Spot On」を「ドイツ経済の課題と機会」をテーマに開催しました。当日は約60名が参加され、河原総領事にもご臨席、開会のご挨拶を賜りました。
赤川氏からはドイツのエネルギー・経済情勢はむしろ来年の今頃が焦点であるとの見通しが示されました。ヴィースホイ氏はドイツのエネルギー供給源多角化の現状について説明され、今後のドイツ経済については政府には企業・国民を支援する財政余力もあり、総崩れせずに苦境を乗り切れるのではないかとの見通しを示されました。またドイツ政界・産業界の中国に対する見方や、対日関係の今後の行方について、お二人の間で突っ込んだ意見交換が行われました。共通の地政学的脅威に直面し、日独間で様々な分野で協力の可能性が生まれているというお話が印象的でした。
これまで当会議所では、ヴィースホイ氏を講師として2回オンライン講演会を実施しましたが、今回は各共催者のご尽力も得て、赤川氏との対談が実現し、多くの参加者よりご好評をいただきました。今後もこのような対談イベントを実施できればと思います。